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「◯◯にとっての私」と「私にとっての私」

セクシー女優/ True Colors ACADEMY LECTUREシリーズ「からだのミカタ」出演者

戸田真琴

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「からだのミカタ」での戸田真琴さん

*戸田真琴さんにTrue Colors ACADEMY「からだのミカタ」終了後にお話を伺いました。

多様性という言葉を最近ぐっと耳にするようになりました。わたしにとって多様性って、例え人に迷惑をかけてしまっても見方によってそこから発見できることもあるよと、どんな人に対してもお互いに認め合って支え合っていくっていうことだと思っています。平たい言葉でいうと「差別をなくす」ということも含まれますよね。私、結構昔から「他人を差別しないためにはどうすればいいんだろう」ってめちゃめちゃ考えて生きてきたんです。
時代的な背景はあると思いますが、うちの両親やおじいちゃんおばあちゃんは、みんなテレビ文化で生きてきたんです。テレビって、こういう人は普通でこういう人は普通じゃない、っていうものさしを共有したうえで笑いがつくられていたり、面白さが提案されていたりしますよね。みんなが自覚していない無意識のところで、人を差別してるなって感じていて。そういうもの一つ一つにずっと疑問を持っていて、「いやでもこれって違うよね」「それって笑ったらいけないことじゃない?」とかこれ自分だったらどうなのとか、全部考えていると団欒ができなくなったんです。お茶の間でテレビをみて、一緒に笑うのが苦痛になってしまいました。笑わないと「なんで笑わないの?」って今度は自分が差別される側になっていく構造のなかで、しかも誰も悪気がない。
だから反面教師じゃないですけど、無意識に人を傷つけたりしないためには、普通っていうものさしでものの見方を制限してしまわないためにはどうしたらいいんだろうって、常に精査してものをみるようにしてきた自覚があります。

「からだのミカタ」の様子

人の良さとか人の実態って、その人がこれまで生きてきた歴史とか、その人の癖とか、話の中身とか、全部総合して捉えるものですよね。でもAV(アダルトビデオ)の世界って、人を視覚情報だけで切り取った世界なんです。だから諦めがつくっていうか。私はその視点だけできりとられてるんだって思ったら、観る価値があるとかないとかそういう評価に傷つかなくなったんです。自分のからだが求められている/いない、綺麗なほうである/ないとかってこと自体に、恐れがなくなりました。それまでは漠然と、男性は女性を自分たちの理想にあてはめて消費しているんだって思っていたんですが、AVの世界に入ってみてこの人たちはこういう思考回路っで見てるんだってことを間近で感じることができて、悪い言い方すると、この程度の価値観でみられてるんだって。そうするとじゃあ私はこの価値観を相手にしなくていいなとか、あるいはもっとこういうところを見れる人間の評価軸を真面目に受け取るべきだなとか、他者のまなざしに対する分析が進んだのが、自分を肯定することに繋がったかなと思います。「誰々にとっての私」が「私にとっての私」とより一致しているかというところに照準をあわせると、世界の見え方が優しくなっていくんです。私がいいと思っているこの人がいいと思っている私の部分は、やっぱりいいんだなっていう答え合わせみたいなものができたり。そういう良い方の体験が重なっていくことで、私自身を認めることができたし、見た目とか身体と自分自身の内面、生きてきた歴史を一致させることができていったような気がします。

AVの仕事では悪いことといいことが両方めちゃくちゃありました。その経験の中で正常な判断ができるようになっていったんだと思います。例えば波の上と下を知らないままだとそれがどれくらいの範囲の波なのかがわからないし、自分がどこにいるのかさえわからないですよね。そうすると幸福にもなりようがないっていうか、どこにいけば自分が幸福になりえるのか、自分らしくいられるのかっていうのを知っていくことができたように思います。

「からだのミカタ」での「昏睡状態を感じるワークショップ」

きょうのワークショップをやってみて、なんだか癒されました!!講座になんとなく来た人もいると思うんですが、そういう人たちも一緒にワークをやっているとまるで区別がつかなかったですよね。その人たちがどこからきたのかなんていうことよりも、今何を感じているんだろうとかとか、あの人まだ緊張してるなとか、うまく身を委ねているなとか、そんなことの方がどんどん明らかになっていって。世間でいうステイタスとか肩書きっていうものが、どんどん曖昧になっていく姿が見れたなと思います。普段よくイベントとかにきてくれるおじさんたちも、私が普段見ている人の像がゆらいでいく感じでした(笑)。


戸田真琴twitter
戸田真琴note
True Colors ACADEMY LECTUREシリーズ「からだのミカタ」

True Colors Festival 2020/2021

True Colors Festival(トゥルーカラーズ フェスティバル)は、パフォーミングアーツを通じて、障害・性・世代・言語・国籍など、個性豊かな人たちと一緒に楽しむ芸術祭です。誰もが居心地の良い社会の実現につなげる試みです。

世界的な危機により、私たちは身近な人たちと引き離される経験をしています。でも、だからこそ人とつながること、共に楽しむことの大切さを再認識しました。

新たな環境で、アーティストと観客が、どうやって体験を共有し、共に楽しむことができるのか。みなさんと一緒に考えながら、プロジェクトを展開していきます。

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