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True Colors MUSICAL 障害のある人もない人も、誰もが楽しむことのできる機会を、どう作るのか?

  • James and the Giant Peach (2016 touring production)

「True Colors Festival」では障害のある人もない人も、誰もが楽しむことのできる場づくりを目指し、アクセシビリティを高める取り組みを継続して行っている。そういった「鑑賞サポート」と呼ばれる取り組みにおいては、国内で最も先駆的な存在であり、また、2020年2月に「True Colors MUSICAL」として劇団ファマリーの新作ミュージカル「ホンク!〜みにくいアヒルの子〜」の企画・コーディネートを務める鈴木京子さん、鑑賞サポートを担当する株式会社リアライズの南部充央さんに、お話をきいた。

お二人は、障害のある人が表現者や鑑賞者として参加できる舞台やイベントの企画・制作・運営に20年以上取り組んできた。

「多様な人が参加することを想定し、その人たちが鑑賞者であることをしっかり認識することが第一歩」

「ホンク!」でも、かんたん日本語字幕・音声ガイド・事前解説など、多数の鑑賞サポートが準備されている。例えばかんたん日本語字幕は、簡単な日本語の字幕が表示されるタブレット端末の貸出を行うサポートだ。字幕でのサポートについて、耳が聞こえない方や聞こえにくい方に向けられているとイメージする方は多いかもしれない。しかし、「知的障害や発達障害がある方々にとっても必要となる場合がある」と南部さんはいう。

「知的障害や発達障害のある方の中には、音声で入ってくる情報より、目から入ってくる情報の方が捉えやすい方がいます。また、「座席」と言われても分からないけれど「いす」と言ったら分かるというふうに、難しい漢字・表現が苦手な方がいます。漢字をひらがなにするだけでなく、少し言い方を変えることによって伝わりやすくなる。かんたん日本語字幕は、そういった方に分かりやすい表現の字幕で情報を伝えることを目的としたサポートです。大切なのは「言ったんだから伝わるだろう」という一方的な姿勢ではなく、「どういうふうにすればその人に伝わるんだろう、どうしたらその人は楽しめるだろう」と想像することです」

  • かんたん日本語・英語の字幕が表示されるタブレット端末

今回お話をうかがう中で、お二人はサポートが必要な対象をとても具体的に想像している印象を受けた。人によって障害となるものが異なるなか、どのように鑑賞サポートのプランを設計すべきなのだろうか。南部さんは以下のように語る。

「多様な人が参加するということを想定し、その人たちが鑑賞者であることをしっかり認識することが第一歩ではないでしょうか。機材の導入といったことがつい先行してしまいがちですが、「まず想定する」という順序が大切です。」

鈴木さんも南部さんの考えに共感し、以下のように述べる。
「自分たちの知らない国の話ではなく、身近にいるけれど気づくことのできていない人の存在がある。そういう人たちの存在を見逃さず気づいていけるかどうかが大切だと思います。20年以上活動していても、「この障害でも人によってはこういうサポートが必要なのか」と、新たに知ることがある。だから100点はありません」

なぜ、いま「みにくいアヒルの子」なのか?

  • ホンク!〜みにくいアヒルの子〜のメインビジュアル

「ホンク!」はアンデルセンの名作童話「みにくいアヒルの子」をもとにした作品。鈴木さんが、ダイバーシティ&インクルージョンの実現を目指す「True Colors Festival」の上演作品として「ホンク!」を選んだ理由には、「そうした機会だからこそ家族向けの作品を上演したい」という思いがあった。

「演目を決める段階でファミリーというキーワードがありました。芸術祭は大人向けになりがちだけれど、子どもたちにこそ多様な個性・特性のある人が色々な可能性を持っていることを知ってほしい。舞台上で多様な人が役者として演じている姿を観てもらうことで、「障害があるから無理、障害者だからできない」といった、いじめにも繋がるような考え方が育ってしまうことを回避できるかもしれません。そして普段様々な事情でなかなかミュージカルを鑑賞することができない障害のある子どもたちにもぜひ観てほしい。色々な可能性や夢を持ってもらうきっかけになれば」

劇中で主人公のアグリーは、農場内をさまよいながら様々な新しい友達と出会う。
「アグリーは見た目が他と違うことで様々な困難に直面します。でもそれを助ける人と共に困難を乗り越えていく。「他と違うことは劣っていることではない」ということを「ホンク!」ならば伝えられると思っています」

Text: Masaki Nakamoto

True Colors MUSICAL ファマリー「ホンク!〜みにくいアヒルの子〜」

2月15日(土)、2月16日(日)
東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場/東京)
[プログラムページ]https://truecolors2020.jp/program/musical/
[鑑賞サポートページ]https://truecolors2020.jp/program/musical-support/

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会場に来れない人にも光を!

SOCIAL WORKEEERZ 設立者・代表、プロデューサー/ True Colors DANCE出演者

TOMOYA

True Colors Festival 2020/2021

True Colors Festival(トゥルーカラーズ フェスティバル)は、パフォーミングアーツを通じて、障害・性・世代・言語・国籍など、個性豊かな人たちと一緒に楽しむ芸術祭です。誰もが居心地の良い社会の実現につなげる試みです。

世界的な危機により、私たちは身近な人たちと引き離される経験をしています。でも、だからこそ人とつながること、共に楽しむことの大切さを再認識しました。

新たな環境で、アーティストと観客が、どうやって体験を共有し、共に楽しむことができるのか。みなさんと一緒に考えながら、プロジェクトを展開していきます。

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